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成果報酬型WEB広告のメディア戦略

  • 2024年4月4日
  • 読了時間: 5分

2024年4月4日

新規顧客獲得単価は安ければ安い方が良い、これは誰もが考える当然のことです。しかしD2Cビジネスはあくまでもビジネスですので最も最優先しなければならないのは事業P/LでありROIです。すなわち当該事業に係る人件費とスタッフの工数なども含めた収益性です。新規顧客単価は安く抑えられているのになかなか損益分岐点を超えられない、投資回収期間が長すぎて資金繰りが追い付かない、P/Lはクリアしているが事業がなかなかスケールしない、これらは目先の指標である『CPA』にこだわると多く発生する現象です。そこで改めて一度、D2CビジネスでKPIとして設定される各指標のメリットとデメリットをご説明した上で各事業フェーズでどの指標を重要視しなければならないのか考えてみましょう。

 

【CPA最適化のメリットと注意点】

<メリット>

CPAの最適化は一番分かりやすい指標です。販売戦略が『1ステップマーケティング』であれ『2ステップマーケティング』であれ、各メディア(広告代理店)との交渉が発生するファーストステップだからです。CPAを下げる方法はいくらでもあります。例えばポイントサイト系であれば『ポイント付与率』を増やす、『成果を全件承認とする』、このようにメディアに有利な条件を提示すればCPAはある程度圧縮が可能ですし大量のCV獲得も容易になります。

<注意点>

上記メリットがある一方、当然ながら『CPA最適化』を追求し過ぎるとP/Lに悪影響を及ぼします。1ステップマーケティングであれば『F2転換率』、『F3転換率』の低下です。2ステップマーケティングであれば『低価格モニター』ばかりで『定期コース』へと進むアップセル顧客の割合が低い』『CPAを安く抑えたし、大量のCVを獲得できたけどF3時点でほとんど顧客がほとんど残存しなかった』このような現象は多くのD2C企業が一度は経験されてきたことでしょう。

 

【CPO最適化のメリットと注意点】

<メリット>

上記のような状況を経験された企業様で考えるのが『CPO』の最適化です。CPAとは別に『定期転換率』『F3転換率』を加味した『見込み客』ではなく『本当の意味での顧客』の新規獲得単価です。この最適化メソッドの方が『CPA最適化』よりも事業P/Lを良い状態に持っていくのは言うまでもありません。

<注意点>

しかし『CPO最適化』には実は盲点もあります。それは『スケーラビリティー』です。CPO最適化を追い求めていくと当然ながらメディア交渉の際に厳しい条件をもって臨まなければならなくなります。CPA単価は上昇し、獲得件数は減少します。つまり『CPO最適化だけ』を突き詰めていくと事業は縮小の方向に向かわざるを得なくなってくるわけです。これでは事業の成長スピードは減速していきます。

これも多くのD2C企業が通って来た道のりなのではないでしょうか?



【LTV最適化のメリットと注意点】

<メリット>

『CPA最適化』⇒『CPO最適化』で一旦壁にぶつかったフェーズで考えられるのが『LTV最適化』です。このフェーズで求められるのはメディアをいかに安く仕切るか?ではなく優良なメディアと普通のメディアで単価や条件をいかに細かくチューニングするか?という緻密な作業です。その検証タイミングは単月ではなくより長い時間軸からの視点、すなわちリピート率やクロスセル率を加味した、売上(利益)に対する広告費の最適化であり、メディア施策以外にCRM、CS(顧客満足度)を上げるための施策を含めた全体の最適化とバランスです。

<注意点>

このフェーズで事業の成長スピードを加速させるために考えなければならないのは『機械にできる作業はどんどん機械にやらせる』『なるべく人間がやらなければならない作業を増やさず少人数で同じ成果を出すことです』そこには各指標の最適化の他、状況によって今期はメディアではなくシステム投資にリソースを回すべきであるなどの全体的な判断が求められます。しかし、現場、ミドルレイヤーを中心に構成されたチームでは、この経営上最もインパクトが大きい『人件費』や『工数』などが見落とされがちなことも一方では事実です。

 

【ROI最適化のメリットと注意点】

<メリット>

各メディアや施策ごとにCPA/CPOが最適化され、かつ一般管理費における人件費の割合が最適化されたら次なるKSF(最重要成功要因)は『獲得件数の最大化』『いかにスピード感をもって事業をスケールさせるか』であり、その際には一時的に『CPA』や『CPO』を犠牲にしてでもボリュームを獲得しなければならないという判断が求められます。ここを上手くバランスさせることができればあとは広告費を投下すればするほどビジネスが加速するという良い循環体制に突入します。

<注意点>

このフェーズで事業責任者に求められるのは『経営力』そのものになります。例えば『今期はメディアよりも人件費や工数削減のために『システム投資』にリソースを割くべきである』とか『新しい施策にリソースを割くよりも新しいオペレーション環境に人材を慣れさせる教育やトレーニングにリソースを割くべきである』、あるいは『クリエイティブの改善やA/Bテストのための制作費に多く予算を割くべきである』もしくは、新しい施策を開発するための『チャレンジ予算』を組むべきである』等これらの判断を経営陣に納得してもらうための社内での政治的な立ち回りも求められます。そもそも私の経験ではこの領域で高いパフォーマンスを発揮している事業責任者は人材市場でも稀有な存在と言えます。このように各企業の事業フェーズに応じた柔軟なメディア戦略をもってメディアをプランニングしていくのが『DENOO PLATINUM』の基本スタンスです。『DENOO PLATINUM』では、これらの課題を解決し、『成果報酬型WEB広告』の『メリットだけ』を美味しくいただけるサービスをご提供致します。



<適正CPA単価の探し方>

① 媒体社のデスクは『CVR×単価』という思考回路で動いている。

※CVR×CPA単価で(媒体社にとって)グロスの売上金額が高い順番で枠を割り当てている。

② ただ単に単価を上げれば獲得効率が上がるわけではない。

※単価UPによる獲得UPには当然ながら限界がある。(媒体の会員分母に限界があるため)

③ 初動をみながら単価を調整、獲得効率が逓減する限界ポイントを見極める。

※獲得効率(CPO)×獲得件数の両軸で最適化を図っていくことがポイントである。


<CPA単価戦略>

① 媒体社の営業に『自社商品』のポテンシャルを地道に啓蒙すること。

② 初動~3ヶ月程度で各媒体の適正単価を見極めること。


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